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連邦大統領(れんぽうだいとうりょう、独:Bundespräsident ブンデスプレジデント)は、ドイツ連邦共和国の国家元首。
強大な権限を有していたヴァイマル共和政時代にパウル・フォン・ヒンデンブルク大統領が内閣を次々に入れ替えた結果、政治が不安定になり、最後にはナチ党の権力掌握を許してしまったことへの反省から、ドイツ連邦共和国基本法では、大統領の権限を中立的権力(pouvoir neutre)に留められている。
このように、連邦大統領はその命令および処分を、連邦首相およびその事項を管轄する連邦政府大臣の副署があってはじめて有効となるケースが多いが、過去には大統領権限によってその議会決定を基本法に照らし正しくない見解であるとしてその署名を拒否した例が8回ある。これは政治的な意味での拒否権というよりも、大統領に与えられた使命として法の厳格化に照らし合わせた議会決議案の再確認による結果である。
大統領就任中は不逮捕特権を有し、また証人としても裁判の一審には召喚されることないが、必要に応じて自宅でのヒアリングに応じる。任期中の大統領を起訴し、有罪判決を問うためには連邦議会議員の4分の1にあたる議員あるいは、連邦議会か連邦参議院いずれかの議員総数の3分の2が同意した上で連邦裁判所にその真意を問うた上で、基本法61条に基づいた大統領の解任がなされることが前提条件となる。
連邦大統領は政治的に中立的な立場にあり、そのメッセージは主に演説の機会等を経て国民に伝えれられる。いかなる政党にも傾倒することなく、またその便宜供与を行わないことが求められている。また、大統領の任期を終えてから政治家としての職務に就いた前例はないが、これは不文律の規定である。
ケーラーは歴代の連邦大統領の中で、唯一国際通貨基金 (IMF) 専務理事を務めたというドイツ国外で国際的組織の要職を経験した人物だった。 連邦大統領は、ドイツ赤十字やドイツ海難救助協会等、幅広く公的利益に貢献する団体で その代表的な後援者という立場に就くことが通例とされている。 副大統領には、連邦参議院議長がその任に就く。[1]
不在時や疾病の際にその代任を務め、また大統領の辞任や解任の際には最大30日間の時間的な拘束を持って次の大統領が選ばれるまで、連邦参議院議長が暫定大統領の国家元首としてその職を務める。在任中に辞任した大統領は下記の2名。
当選後、連邦議会と連邦参議院との同席の下、就任に当たっての宣誓が行われてから5年。1回の連続再選が可能。就任中罷免される条件としては下記のようなケースが挙げられる。
これらの状況下に於いては、連邦参議院の議長がその任務を代行し、30日以内に新大統領の選挙を実施し次期大統領を確定させなければならない。また、有事に於ける防衛体制下では、ドイツ基本法115条に基づき、その任期を延長することが可能である。
大統領選候補者の被選挙権は、連邦議会の選挙権を有し、かつ40歳以上の全てのドイツ連邦共和国国民にある。2010年までの記録上、最年少での連邦大統領は54歳で当選したヴァルター・シェールであったが、2010年6月30日に行われた大統領選で当選したクリスティアン・ヴルフは52歳で最年少の連邦大統領となった。
選出は連邦議会と16の州議会から比例代表で選出された代表からなる連邦会議によってなされるが、結果としては現状での政党が持つ勢力バランスと政党間の協議によって左右されるケースが多いので、マスコミを中心に直接選挙制への移行を議論する向きもあるが、2010年、連邦議会では未だ正式に議会提案もされていない。
「ドイツの国家元首一覧#ドイツ連邦共和国(西ドイツ → 再統一ドイツ)の大統領」を参照。
第一大統領官邸はベルリン市内のベレヴュー宮。第二大統領官邸としてノルトライン=ヴェストファーレン州のボンにあるヴィラ・ハンマーシュミットがあり、1998年からは大統領府もベルリンの官邸近くにある。公用車は、防弾装甲されたドイツ製のFセグメントに属する車両とされており、運転手には連邦刑事局の警備課より特別の訓練を受けた者が任命されている。
大統領の歳費は、一例として2010年には連邦首相の10分の9に相当する199.000ユーロの支払いが定められており、この他に特別会計としてその側近の要員や公邸の家賃を支払うために78.000ユーロが支払われる。
また、退任後は終身報酬として毎月17,500ユーロ(2010年現在)が支払われ、官邸に終身の選任秘書と事務局が設けられる。